啊,凄凄的秋风啊!
如果你有情,
请你去告诉人们:
有一个男子汉,
在今天的晚餐上,
独自吃着秋刀鱼,
陷入苦苦的深思。
秋刀鱼,秋刀鱼,
滴上青桔的酸汁吃秋刀鱼,
是他故乡的习惯。
一个女人对这个习惯感到奇怪,
她一定怀念她拧着青桔汁而跟他共进的晚餐吧!
啊!被丈夫舍弃的妻子,
为妻子背叛的丈夫,
同坐在饭桌旁的时候,
缺少父爱的小女儿,
迟迟不敢动她的小筷子,
不向不是他父亲的男人要她喜欢的秋刀鱼的肠子。
啊,凄凄的秋风啊!
你看到了这世上不正常的团聚了吧。
秋风,
你起码能证明,
这暂时的团聚并非梦幻。
啊,凄凄的秋风啊!
如果你有情,
请你去告诉
那些未被丈夫离弃的妻子,
那些未失去父亲的孩子,
告诉他们:
有一个男子汉,
在今天的晚餐上,
独自吃着秋刀鱼,
流着伤心的热泪。
秋刀鱼,秋刀鱼,
秋刀鱼的味儿又苦又咸。
啊!我直想问一问:
滴上热泪去吃秋刀鱼,
这是什么地方的习惯呀?
あはれ
秋風よ
情(こころ)あらば伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉(ゆふげ)に ひとり
さんまを食(くら)ひて
思ひにふける と。
さんま、さんま
そが上に青き蜜柑(みかん)の酸(す)をしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
そのならひをあやしみなつかしみて女は
いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひけむ。
あはれ、人に捨てられんとする人妻と
妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
愛うすき父を持ちし女の児は
小さき箸をあやつりなやみつつ
父ならぬ男にさんまの腸(はら)をくれむと言ふにあらずや。
あはれ
秋風よ
汝(なれ)こそは見つらめ
世のつねならぬかの団欒(まどゐ)を。
いかに
秋風よ
いとせめて
証(あかし)せよ かの一ときの団欒(まどゐ)ゆめに非ずと。
あはれ
秋風よ
情あらば伝へてよ、
夫を失はざりし妻と
父を失はざりし幼児とに伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉に ひとり
さんまを食ひて
涙をながす と。
さんま、さんま、
さんま苦いか塩つぱいか。
そが上に熱き涙をしたたらせて
さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
あはれ
げにそは問はまほしくをかし。
佐藤春夫「秋刀魚の歌」,孟勇译
收录于『我が一九二二年』(1923)
新潮社
配图说明:日本文学+ 新垣结衣 写真集