瀬尾まいこ『幸福な食卓』摘抄

“坂户君也坐这辆卡车走吗?”
“嗯,当然啦,很适合启程吧。”
一想到这辆老旧的卡车要载着坂户君去到冈山那么远的地方,我便非常难过。
“我不想让你走呀。”
“肯定不行。”话刚说出口,坂户君就立即笑着拒绝了。
“小孩子没办法按自己的意志行动呀,连要住哪儿都决定不了。”
“那你能给我写信吗?”
“肯定也不行。我很笨啦,写不来文章,也记不住中原的。”
“怎么什么都不行。”
见我变得低落,坂户君露出了温柔的神情,来到我身边。
“你真的是个很好的朋友啊。多亏有你,这四个月过得很开心呐。”
坂户君从头到尾都用着感怀过去的口吻,这让人觉得寂寞。对坂户君来说,我只是其中的经历之一而已。
“告诉中原一件好事吧。”
“什么?”
“我其实很讨厌鲭鱼。外婆曾经吃了鲭鱼寿司后脸就肿了,肿得非常厉害。好像是因为鱼里的寄生虫,肿了可有三天呢。自从看见外婆肿胀的脸后,我就不再能吃鲭鱼了,会觉得恶心。”
坂户君吐露的真相让我非常吃惊。鲭鱼应该是他很喜欢的食物才对。
“但你总是帮忙吃掉了我的那一份鲭鱼呀。”
“很棒吧?在不曾留意的地方,一直有人守护着中原。”
坂户君这么说道,握住了我的手。手被坂户君握住的瞬间,我突然感到非常伤心,眼泪一下子涌了上来,我既不想和坂户君就此分别,又迫不及待地想早点回家。

「坂戸君もこのトラックに乗るの?」
「ああ。もちろん。出発にふさわしいだろ」
こんなトラックが岡山まで坂戸君を運んでしまうと思うと、とても悲しかった。
「行かないでほしいのに」
私が言うと、「絶対無理」って坂戸君が笑った。
「子供は自分の意志では動けないじゃん。住む場所すら決められない」
「じゃあ、手紙とかくれる?」
「きっと無理。俺、ばかだから文章書けないし、中原のこと忘れちゃうもん」
「無理なことばっかり」
私がしょげると、坂戸君は優しい顔をして私の隣に並んだ。
「お前なかなか良い友達だったよ。中原のお陰でここの四ヵ月は結構面白かった」
坂戸君の言葉はみんな過去形で寂しかった。坂戸君にとって私は一つの出来事でしかないのだ。
「中原にいいこと教えてあげる」
「何?」
「俺、本当は鯖って大嫌いなんだ。昔ばあちゃんが鯖寿司食べて顔が腫れたんだよね。ぱんぱんに。鯖に棲んでる虫のせいだったらしいけど、三日くらい腫れっぱなしだったんだぜ。それ見て以来、俺鯖って食べられないの。気持ち悪くてさ」
坂戸君の告白に私はかなり驚いた。鯖は彼の大好物だったはずだ。
「でもいつも私の分まで食べてくれたじゃない」
「すごいだろ?気付かないところで中原っていろいろ守られてるってこと」
坂戸君はそう言って、私の手を握った。坂戸君に手を握られたとたん、私は急激に悲しくなって、泣きそうになって、坂戸君と離れたくないって思って、そして早く家に帰りたいって思った。

瀬尾まいこ『幸福な食卓』,投稿人自译
收录于『幸福な食卓』
講談社文庫

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